星 辰巳

Open App

波にさらわれた手紙、って何?

メッセージボトルの事だろうか。
いやでも、アレはさらわれたというより、さらわせた…?
(平仮名で書くと「さわらせた」みたいでキモイな。)

さらわれたメッセージボトル。
ロマンチックにも、コメディチックにも聞こえる。

誰にも届けるつもりは無かった、胸の内。
うっかり手を滑らせて、波にさらわれた心の声。
誰かに届くだろうか、海の藻屑となるだろうか。
これはロマンチックバージョン。

浜辺に落ちていた誰かからのメッセージボトル。
無人島に流れ着いた今、久々の他人の言葉だと歓喜する。
その拍子にうっかり手を滑らせて、波にさらわれた言葉。
流れゆくビンを、僕はただ呆然と見つめていた。
これはコメディバージョン。

書きながら思った。
これ、実は同じメッセージボトルなら面白いな。

色んな人の手元に届くも、開けられないメッセージボトル。
様々な人が様々な思いを持ちながら、メッセージボトルと接触するも、その封が破られることは無い。

最後は最初の差出人の元に偶然戻って来る。
「誰かの心の声が落ちているが、私は拾わない。
私は私のことで精一杯だから、今は拾えない。またね。」
とでも締めて、舞台上にメッセージボトルだけが残る。

我ながら、ちょっとエモいんじゃないだろうか。

タイトルを「波にさらわれた手紙」にしようかな。

8/3/2025, 1:23:20 AM