孤都

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    # Midnight Blue


   君は、夜になるといつもサングラスをかける。
  

   太陽も出ていない暗い夜になぜサングラスなのか
  ずっと疑問に思っていた。

   そして1つ、他のサングラスとは違う点を見つけた。

   それは、君の瞳が全くと言っていいほど見えないこと。

   まるで、スキー用のゴーグルをつけているように。

   しかし、今日、僕は知ることとなる。

   君が日のない影を落としたような夜に瞳を隠す理由を。

   日中は茶色く透き通った瞳を魅せる君だけれど、
  深夜になるとその瞳はとても深い紫みの青色に染まる。

   深海のように深く深くにある青に魅せられて引き寄せられて
  いくようだった。

   そんな力が彼の瞳にはあったのだ。

   君は変だから、と必死に隠そうとするけれど、
  僕は思ってしまった。

   ああ、なんて綺麗な瞳なんだろう。

   いつか、その瞳に吸い込まれたい――と。

8/22/2025, 3:50:59 PM