無垢
純粋無垢の君は、俺の気持ちなんて分からないだろう。君の心は白くて、透き通っているようだ。
君は白がよく似合う。俺の気持ちを知ってしまえば、君の心は俺色…いや、黒くなってしまう。
俺はそんなことはしたくない。
俺が伝えるか、知られてしまうかは時間の問題。
《翡翠》
なんて呼ぶ声が脳裏から離れない。
忘れたくても忘れられない。
この辛い気持ちなんて、なければ良いのに…。
そう考えることが増えた。
俺は君のことなんて…。
『翡翠。どうしたの?どこか痛いの?』
気づけば君が目の前に。
驚いたけれど、君は心配そうに覗き込む。
俺が「なんでもないよ。」って言うと、君はほっとした表情になる。
君は俺の腕を引っ張って、仲間の元に連れていく。
嗚呼…もう少しだけ君の目に映っているのが…
“俺”だったら良いのにな。
5/31/2024, 11:01:11 AM