「こんな夢を見た」から始まる小説

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こんな夢を見た。私は憧れの学校の制服に袖を通し、浮かれた気分で入学式に参加した。校長からの新入生への挨拶が終わり、一息つく。多分、これで終わりだろう。挨拶が終わった校長は壇上から降りずスーツの懐から封筒を取り出し、便箋を広げた。
「げっ…何あの枚数…」
近くの女子がうんざりしたように呟く。確かに遠くからなので分からないが、紙束のようになっている。今から、これを読み上げるつもりだろう。
「この学校に入学するにあたって、皆さんには必ず学校生活のルールを覚えていただきたいのです。これから読み上げますので、しっかりと聞いて覚えましょう。覚えられなくても、後から配る生徒手帳に書いてありますからね」
そうして校長は、便箋の内容を読み上げ始めた。覚えられるはずがない。ただでさえ、式への緊張や長い話で疲れているのに。私のまぶたは少しずつ重くなっていく。と、いきなり背中をどつかれる。驚き振り向こうとすると、背後から囁かれた。
「振り向かずに聞いて。寝たら駄目だよ。即刻、退学になるよ」
慌てて姿勢を正す。
「ここはね、品行方正であることを強制されるの。居眠りなんて重罪だよ?特に校長の前ではね」
右斜め前で、パイプ椅子の倒れる音がした。驚いてそちらに見やると、職員たちに一人の生徒が羽交い締めにされ叫んでいた。それを気にかけることなく、職員たちは体育館の外へと生徒を連れ出した。
「ほら、君もあんな風になるとこだったんだよ」
随分厳しいところに入ってしまったようだ。先ほどの騒ぎで周りの緊張感が高まり、息が詰まる。
「三年間大変だけど、卒業出来るようにお互い頑張ろうね」
そうだ、私はここに憧れて入ったんだ。ルールごときで、退学になってたまるか。背後からの囁きに私は力強く頷いた。

4/25/2026, 7:27:07 AM