猫の背中を撫でながらソファにもたれかかり壁を眺めている。この時間が1番好きだ。
例えば親と出かけて一緒に好きな食べ物を食べることや波長の合う男の子とたわいもない会話をすること。人との会話も好きだが、私には一生1人で居る時間が必要だろうと、物心ついたころには自分のことを理解していた。
毎日少しで良い。1人沈黙する時間が欲しかった。
その時間だけは、自分が自分で居ることが出来る。誰の仕草や表情や声色を気にすることもない。
ふと窓に目を向けて空を見た。外にはまだらな雲たちが気持ち良さそうに浮かんでいた。寂しさなんて知らない顔で雲はこちらを一瞥すると、隙間から光を降ろしていた。
ほんのしばらくして、何本かの光の柱が出来た。猫が鳴いた。
11/1/2024, 1:21:17 PM