七夕の夜は曇りか雨の日がほとんどで
僕の子供たちには
織り姫さまと彦星さまがデートをするのを
人に見られたく無いから隠しちゃうんだよ
と
話して
星を見たがる子供たちを宥めることが通例と
なって居た
この日はどうなんだろうな
会社帰り
スマホをチェックする
天気予報では少し雲が出るらしかった
まあ
こんなもんだよな
いつものこと
そう思うけれど実は僕自身
星が見たかった
空を見上げる
帷が降りて
ビル街の夜空は
雲があるのかどうかも
分からない
電車に乗って帰宅した
ただいま〜
どうだ
望遠鏡 用意してるのか
今日も雲があるんじゃないか〜?
そう言いながら
子供たちの頭をくしゃくしゃと
撫でた
お父さん 今日は雲ないよ!七夕なのに!
星 見えたー!
なんと
子供たちはベガとアルタイルを
見つけて居た
やるじゃないか!
僕も心が躍る
見せてみろ
どれ…
望遠鏡を覗くと
二つの星が輝いて居ることが分かった
今日はお前たちに
会いたかったんだろうな
織り姫さまも彦星さまも
良かったなあ!
子供たちははしゃいで
代わる代わる望遠鏡を覗き込んでいた
奥さんが
星見つけるの大変だったんだから〜
そろそろご飯にしましょ
と
微笑んでいる
なんだ
キョウカが見つけてくれたのか
そうよ?
ご飯冷めちゃう
…ありがとう
若い頃も二人で星見てたっけな
ー懐かしいよね
うん
そう話しながら
いただきますを言う
家族っていいな
今日は
そんな日だった
7/7/2024, 10:22:13 PM