過去の記録に想い入れもなければ興味もないけれど、1件だけ、ずっと消せずにいるメッセージがある。
親友だった彼女が最期に送ってきた言葉。
『がんばれ』
単純に、私の試験を応援してくれるLINEだった。私がこのメッセージを見たのは、試験が終わって、彼女のお兄さんから彼女の事故を聞いて病院に向かう電車の中。
『試験終わった。いい感じかも!』
涙を堪えてそう返した。こんなにも、既読の小さな文字を気にしたのは後にも先にもこの時だけだった。
既読の文字は未だついていない。
7/12/2023, 6:29:23 AM