#束の間の休息
薄暗い部屋、机の上に広がる資料、青白い光を放つ画面、まとまらない文章。
その全てが、今の私を表しているようだった。
もう2時なのか、そろそろ寝ないと明日に支障出るかな。
でもこのデータは完成させないと……
「……はぁ。」
目の奥が痛い。
「はるー、夜食二人で食おう?」
こぼれたため息が聞こえていたのか、はたまた違うのか、ノックとともにたっくんの声が聞こえた。
「……ごめん、まだ終わって無くて……」
「……お前、休憩入れてる? 効率下がるから入れろって。」
「そんな変わんないでしょ……」
「あーもう、入る。」
「ちょっと、!」
あぁ、やってしまった。
たっくんが来るときはいつも清潔にしていた部屋、今はその真逆。
「……ぉらっ、つべこべ言わないで行くぞ。」
「ちょっ……」
強引に腕を引かれ、廊下に出る。
どこへ連れて行くつもりなんだか……
早く、終わらせないと……
リビングに近づくとふわりといい匂いが漂ってきて、お腹がぐぅと鳴った。
「休憩も大事だから。ちょっと休んだぐらいそんな変わんねーよ、元気だしてまた頑張れ。」
ダイニングテーブルには、ほかほかと湯気を立てた、不格好なオムライスが並んでいた。
10/8/2024, 11:43:11 AM