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秋晴れが広がる空の下、キミと公園を散歩する。
「デート、公園で良かったの?」
手を繋ぎ、のんびり歩きながら聞いてみると
「うん。…というか…」
キミはピタリと足を止め
「ごめんね。ホントは、遊園地とか、ショッピングモールのお店をいっぱい見て回るとか、苦手なの」
申し訳なさそうに俯く。
「嫌われたくなくて、今まで言えなかったんだけど…」
手を離さないで。とでも言うように、繋いだ手に力が込もる。
「…そっか」
僕の声に、キミは肩をビクリと震わせ
「ホントにごめ…」
「そうじゃなくて」
顔を上げたキミの声を遮り
「ホントは僕も、あまり好きじゃないんだ」
本音を話す。
「デートの場所。女の子は遊園地好きなんだろうな。って選んでた。けど、乗り物に乗れないわけじゃないんだけど、得意ではなくて…。僕は、動物園とか水族館、プラネタリウムとかが、好きなんだ」
僕の話に
「…嫌われるのが怖くて言えなかったけど、ちゃんと話せば良かったね」
キミは微笑む。
「ホントにね」
お互いに言えなかった本音。伝え合えたことで、僕たちの心は秋晴れの空のように、キレイに晴れたのでした。

10/19/2024, 8:42:18 AM