NoName

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 袖から覗くその白く細い腕に手を伸ばして。
 伝う汗のひとつひとつに舌を這わせて。
 吸い付くような軟い肌に幾つも赤い花を咲かせて。
 他の誰にも見せられないような、僕の独占欲に塗れた君にしたいと喉を鳴らしてしまうのは。

 きっと夏の暑さに浮かされたせい。

5/28/2023, 5:01:53 PM