何度も立ち止まり、歩くのがままならなくなるほど、当たり前に出来ていた息の吸い方も吐き出し方も分からなくなり、途方に暮れて地べたに突っ伏してしまったこともあった。
これしか無いと自分に言い聞かせているだけなのかもしれない、何度もそう思っている。
微かに見えた……そう錯覚なのかもしれない。でも、指先に触れたかもしれない温かな光は、僕が求めていたものだと信じている。
あの頃のように、過去に縛られていないと思っていた。でも時折、気紛れにふらっと覗かせてくるアイツ。そんな自分に心底嫌気がさす、でもそれを含めて僕なんだと飲み下す。
もう下を向かない、あの光が見えたところだけを見続けよう。
少しづつ、ゆっくりでいい、あの光が僕の手の中に掴めるときまで、歩き続けよう。
いまはまだ何も掴めていないけど、何か掴めそうな気がしている。
僕だけの力では、あの光のもとへ辿り着けないけど。
あの頃はよくわからなかったことも、いまは少しわかるようになったよ。
いまもわからないことが多いけど……
凸凹だらけの歪な自分、でも僕は僕以外のモノにはなれない。いや、なりたくない。
瞳を閉じるその時までは、足掻き続けよう。
たとえ光に届くことなく、僕という存在がいま消えても。
後悔は1ミリもしない、目を開き続けてやる。
そう、それが僕だ。
『 この道の先に』
7/4/2023, 9:59:31 AM