顔も知らない貴方と知り合いました。
この薄っぺらい機会の向こうにいる貴方と話をしました。
これが好きだ、あれが好きだと他愛ないことばかりをやりとりしました。
顔も知らない、画面の向こうにいるかもわからない貴方。
機械がなくなってしまえば何も残さず消えてしまう貴方。
貴方にとっても私はそういうものでしょう。語らい、笑い合い、趣味を共有する、けれどほんの一瞬で消してしまえるだろう微かな繋がり。
淡く細い繋がりを、私は確かに愛しく思い、けれども断ち切ってしまったことを後悔し続けるのでしょう。
顔も知らない貴方。声も知らない貴方。本当に居るのかも分からなくなってしまった貴方。
いつか、またこの画面越しにすれ違うことがあれば、せめて私は伝えたいのです。
あの時はごめんなさい。貴方との交流が私の心の支えでしたと。
そんな日は来ないだろうと分かっていても、そんなことを思い続けているのです。
11/13/2022, 10:45:02 AM