ミミッキュ

Open App

"私の日記帳"

「ん、んーっ……ふぅ。今日の分終わったぁー。」
窓の外はもう真っ暗。今日の分の仕事や明日の準備、入浴を済ませ居室のデスクに向かい、座る。
「さて、と…」
鍵付きの引き出しの鍵穴に小さな棚から取り出した鍵を挿し込み回して開ける。そこから1冊の手帳を取り机の上に出す。それは筆記体で『Dialy』と書かれた、若草色のシンプルな表紙の日記帳。日記帳をパラパラと捲って昨日書いたページを見つけると、その次のページを開き、ペン立てからシャーペンとその隣に置かれた小箱から消しゴムを取る。
「 フンフ〜フン♪…」
鼻歌を口ずさみながら、サラサラと今日あった事や感じた事を書き綴っていく。自分の気持ちを言語化していくと自分の考え方が可視化されて面白いし、時々表し方が分からなくて調べていると語彙力が上がった感じがして楽しい。正直言うと、寝る前のこの時間が大好き。
「あ、そろそろ新しいの買わなきゃ…」
途中、ふと残りのページ数を見る。分厚い日記帳がいつの間にか残り数ページになり、明日の予定を1つ立てる。書いていたページに戻り、続きを書いていく。
「フフンフ〜フ〜フ〜フンフフ〜フン♪…」
鼻歌で続きを口ずさむ。
「…ふぅ」
今日のを書き終え、パタリと日記帳を閉じる。思えば大体2〜3ページで書いていて、たまに5ページ位書いてる時がある。そんなペースで書いてたらそりゃあ残りが少なくなるの早いわ。書いていると楽しくて、つい長くなってしまう。
「ハッ…」
自分に笑いながら鍵付きの引き出しに仕舞い、鍵をかけてまた小さな棚に鍵を入れる。「よし」と立ち上がってベッドに潜ると、瞼を閉じてゆっくりと意識を手放した。

8/26/2023, 11:39:42 AM