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「正直者ね。美徳よ、確かに」
「でもね、社会に於いて利点かといえば、
 必ずしもそうでは無いわ」
「子供に正直を望むのは、正しい道を歩ませる為」
「……子供の行動思考、その逐一を把握する為」
「言ってみれば、思い通りにしたい大人の傲慢よ」
「だから正直者の子供は喜ばれる」
「でもいざ大人として社会に出た時」
「社会が大人に望むのは、
 最終的には他者を使える人になること」
「正直では無く、本音と建前を器用に扱う事」
「酷い話よね。それまで正しかった事が
 正しくないって突然言われるようなものよ」
「まして、窃盗を蔑む口で技を盗めと、
 そういう空気を読んで行動しろと言うのよ」
「そんな暗黙の了解で、皆が正しく大人になれると
 ……本当にね、馬鹿みたいじゃない?」

‹正直›


「雨ですねえ」
「雨だねえ」
「でも強行したらしいよ」
「今更変えられないでしょ」
「でもねえ嘘か本当かは知らないけれど」
「前置きが長いよ」
「ジューンブライドも旧暦説」
「わあ」
「本来の月だと晴れてて良い感じという噂」
「なんてこと」
「嘘か本当かは知らないけど」
「自衛を重ねた」
「要らない知識調べるのだるい」
「それはそう」

‹梅雨›

6/3/2024, 9:10:19 AM