夜空の音

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愛を叫ぶ。

真夜中。車で山道を登り、誰もいない山の頂上の展望台へ来た女が1人いた。
彼女はタバコを取り出し、火をつける。穏やかな風が吹いていて、彼女の口から漏れる煙はふわっと広がる。
そんな彼女はタバコのパッケージをなんとも言えない顔で見つめた。
競馬に興味無い彼女は、タバコ入れに着いている競馬のぬいぐるみを優しく撫でる。その仕草に、思い入れがあることが伺える。
ふぅ。とタバコを吸いきった彼女は、手すりに捕まり、身を乗り出した。
すうっと大きく息を吸うと、
「....お誕生日おめでとー!」
誰もいない山で、広い空に向かって叫んだ。
そして下を向き、潤んだ目でぽつりと呟く。
「隣で1番に言いたかった....。」

5/11/2026, 11:15:47 AM