ほろ

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休みの日に、ふらりとどこかへ出掛けたくなる時がある。それはいつも唐突で、酷い時は朝起きた時に「あ、今日電車乗ってどこか行こ」とかなるものだから、計画も何もあったものじゃない。
しかも、出掛けたからといってショッピングをしたりご当地グルメを食べたりするわけではなく、本当にただ「出掛ける」だけ。一応財布は持っているけれど、せいぜい電車代やガソリン代や駐車場代といった、必要最低限を払って終わり。

そうやって遠くの街へ行くのを繰り返していると、ふと気付く時がある。
もしかして私は、私を知らない人達の中に埋もれて消えたいんじゃないか。日々の忙しさから私を解放したいんじゃないか。

でも、出掛けている間は気付いたことに気付かないフリをする。そんな考え、どうでもいい。ただ景色を、空気を、その土地に生きる人を、この身で受け止めたい。
私の悪癖は、私が私であるために必要なのだ。

2/28/2024, 2:45:51 PM