《思い出の欠片が足りない》
(刀剣乱舞/今剣)
源義経の守り刀。それが今剣である。
彼自身も義経公の守り刀であったことを誇りに思っている。
けれども今剣には義経と弁慶の事しか無い。
《義経記》に記された短刀。現物はない。
いわば朧げで、不完全な存在。
三条小鍛冶宗近の作刀というのも、
磨り上げられて小さくなったということも、
五條天神社での回顧や清水寺での義経と弁慶の戦いの記憶も。
全てが不確かな要素で成り立つ存在。
故に義経記こそが今剣、ひいては岩融が顕現出来る唯一の依代とも言える。
いや。もしかすると、義経記だけではなく
謡曲や御伽草子の【橋弁慶】なども彼を構成する要素なのかもしれない。
いずれにせよ、万人に愛された源義経という存在を語り継ぐ存在の今剣が、語り継がれる為の軍記物によって存在を語り継がれるというのも、また皮肉なのかもしれない。
8/31/2024, 10:30:44 AM