「一番の楽しみ」
「オープン日未定……」
スマホでスキー場の公式SNSを見ている彼女が肩を落としため息をついている。
「温暖化だからなぁ……」
「ううう……」
唸る彼女の肩を叩くが、ぺしりと払い除けられてしまった。
「あーあ。私の冬の楽しみが……」
テーブルに突っ伏して呟く彼女。
「冬の楽しみはスノボだけじゃないだろ」
「……スノボが一番だもん」
俺の彼女は三度の飯よりスノボが好きなのだ。
俺はウインタースボーツの類は一切しないので、冬季の休日は自然と別行動になる。
「もういっそ雪山行かずに俺と一緒に炬燵で読書しよーぜ!」
わざと明るく誘ってみるも、キッと睨まれた。
八割くらい本気だったのになぁ……
────冬になったら
11/18/2024, 7:52:27 AM