あん

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クリスマスらしく、イルミネーションが道を照らしていた。
綺麗だねって言えたはずの相手は別の相手といて。
私は1人、ただカフェでぼーっとするしか無かった。

どのくらいそうしていたのか、思い出せなくなったくらいに。
「あの、大丈夫ですか。」
バイトの子かな?声をかけて来てくれて。
「あ、はい、大丈夫です。すみません長居しちゃって笑 そろそろ出ます。」
「あ、いや、そーゆー訳じゃないです。もっと、ゆっくりしていって下さい。」
自分より5つは下であろう行きつけの喫茶店で働くイケメンな男の子に気を使われるだなんて、大人気ないだろうか。
「あ、、、りがとう、ございます。」
返す言葉が、それくらいしか見つからなくて、もう呆然とするしかなかった。
「あの、いつもの人は今日、居ないんすね。」
ああ、元 カレの事か。
「あーー、昨日の夜に、ちょーど別れて笑」
まるで愚痴のような話になってしまいそうだったが、ようやく元カレが以下にクソだったのかに気づけたのだから、プラスとして考えよう。
「じゃあ、狙ってもいいですか。」
「え。」
狙う?スナイパー的な?
「彼氏候補に。俺の事入れてください。」
「え?」
あまりにも急な事だったけど、クリスマスの前日に振られることがあるくらいだから、きっとこんなこともあるんだろう。
サンタさん。
今年の私のクリスマスプレゼントはイケメンな年下彼氏なんですか?

12/14/2023, 12:55:50 PM