「カーテン」
小さい頃からカーテンが好きだった。
光を透かすものも、遮るものも。
風がある日にベランダを開けて風で膨らむカーテンの中に入ると、まるでおとぎ話の中に入ったような、不思議と満たされる気持ちになった。
風邪を引いて寝込んだ時に、部屋を暗くするために閉めたカーテンの下から漏れる光が、なんだかすごく好きだった。
成長するにつれて、いつしかカーテンは邪魔な存在だと感じることが増えてきた。
エアコンのない私の家は、夏場は常に家中の窓が開いている。
勉強していたりなんかすると、風の強い日は揺れるカーテンが鬱陶しくて仕方がない。
想像力豊かで気が散りやすい私にとって、勉強中に視界に入る揺れるカーテンは妨げにしかならないのだ。
…とは言ってみるものの、やはり私はカーテンが好きである。
風にあわせて網戸にひっついたり、かと思えばブワッと舞い上がったり。
生き物のようで、見ていて飽きない。
カーテンの下で3時間以上カーテンを眺めるだけで過ごせるのは、少し自慢ポイントでもある。
まあそんなことをしているから勉強が手についていないのであろうが、何もせずボーッとする時間も現代社会を生きる私たちには必要なのだと思っている。
最近はやっと涼しく…いや、寒く?なってきたが、また暖かい日でもきたら窓を開け放ってカーテンを眺めて過ごそうか。
その前に受験勉強をしなければ。
10/11/2024, 12:51:10 PM