香水
お姉ちゃんの部屋の棚に並んでいる
香水の瓶
私が触ろうとすると「あんたにはまだ早い」とぴしゃりと手を叩かれる
ぷっくりと頬を膨らませ私が不満を
露わにするとお姉ちゃんは
苦笑して「あんたが大人になったら
付けてあげる」
私は、その言葉を信じ大人になるのを
待ち望んでいた
そうして、大人になり初めての彼氏が
出来るとお姉ちゃんが私に
プレゼントをくれた。
初彼氏記念と書かれたカードと共に
プレゼントの包みを開けると
中には、ピンクの液体が入った小瓶が
入っていた。
「掛けてみて!」とお姉ちゃんがにっこりと
言うので私は、首筋にプシュッと
噴射口のボタンを押して首筋にピンクの
香水を掛けてみた。
鼻から妖艶な甘いローズの香りがした。
お姉ちゃんが「私とお揃い!」と私が持っているのと全く同じ瓶を掲げてにっこりと
笑っていた。
私もお姉ちゃんに笑い返した。
こうして、私は、お姉ちゃんと同じ
大人になった。
8/31/2024, 12:30:07 AM