【傘の中の秘密】
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僕の学校には、高嶺の花と呼ばれる成績優秀で人を差別することなく容姿も素晴らしいような人がいるらしい。最近知った噂であるがそのような人がいるなら一度見てみたいものだ。そう思いながらも学校に向かう。今日は進級によるクラス替え。それぞれが、自分の進路に向かって学力に励む分岐点。僕は特に欲もなかったので、自分の得意科目がある方を選択した。クラス替えの表を見てとりあえずそのクラスに入り、自席に目を向ける。理想とは真逆で、僕の席はドアに近いところであった。まぁ、言うまでもない。僕の名前は赤崎海だから。時間が経ち、ある程度人が集まったとき、今年の担任らしき人物が姿を現す。この待機時間はとても長く感じていたがその苦痛もやっと解放されると喜びをあらわにした。とりあえず先生の話を聞き、隣の人と交流を深め、高校生特有のグループ作りが行われた。
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なぜ人は群がるのか。意味がわからない。友好関係だなんてバカバカしい。一人のほうが楽なのに、無駄に気まずいだなんて感情を出さずに済むのに。今年も1人かぁ。まぁ、別にいいけど。今年もそのようなスタンスでいいだろう。一人で行動したほうが効率がいいし、気軽である。今日の授業も業務事のような言葉しか発してないし、内職の時間は爽快だった。
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そのような日々を行っている中、今日は膨大な雨が降るとのニュースが流れていた。最近梅雨だし、そりゃ降るやろ。内心ため息をついて傘を手に取る。玄関のドアノブに手をかけ家を飛び出す。全く、いつからチキンレースをやってるのやら。でも、遅刻は一度もしたことないし大丈夫でしょ。今日も今日とて、いつもの日々を行う。
6/3/2025, 8:51:55 AM