'25年4月17日 静かな情熱
今まで私は、本は「読むもの」だと思ってたの。
それが拙いながらも自分で文章を書くようになって、みんなはどんな風に書いた文を発表してるんだろうか、調べるようになったのね。
そうして初めて「ZINE」というものを知ったんだよね。
いつか本物を手に取ってみたいと思っていたら、少し離れた街の小さなお店でZINEを展示販売するイベントがあることを見つけたの。
たまたま時間が空いた平日に行ってみたら、お客さんは誰もいなくて私一人。
こんにちは、と控えめに声を掛けながらドアを開けると、色とりどりの小さな本のミニチュア達。
お店の方が出てきてショップカードをくれた後、すぐに奥へ戻って行ったから、貸し切り状態。
平日に来て良かったぁ。
お店の方も私がゆっくり見れるようにしてくれたんだろうな。
私は本当に全てを一冊ずつ手に取りパラパラ捲ったりじっと見入ったり。
自分の体験談を書いたもの、歴史的建造物を精密に模写したもの、海外の国を写真とイラストで紹介したもの、等々。
どれも拘りの詰まったものばかり。
作者の静かな情熱が伝わってくるようだった。
お店に来る前から直感で選ぼうと思ってたんだけど、まさに表紙が気に入り、中を見てすぐに欲しいと思ったものが一冊あったの。
一応他のものも全部見たけどやっぱりそれが気に入ったから購入したよ。
中は漫画のような絵本のような不思議で個性的な絵とお話で、一気に読んでしまうのが勿体なくてじっくり味わって読むことにしよう。
その日見たZINE達は同じものが二つと無くて、気軽で自由で拘りがあってその人にしか書けないもの。
私ももしかしたら作れるかも知れない、という夢を抱かせてくれるものだったの。
本は「読むもの」から「書くもの」へ。
私も静かな情熱の持ち主になれるかも知れない。
4/17/2025, 1:31:39 PM