#5 新年
寝落ちしたようだ。
急いでスマホに手を伸ばす。
2026年 1月1 日 0:02
年が変わってしまった。
今年は、年越しジャンプでもしようと張り切っていたのに。
その表示を見た途端、突然気力を失った。
友達からのあけおめLINEも全て無視してもう一度目を閉じる。
次第にとろんと意識が溶けていった。
教室だ。
橙色に染まっていて、それでいて、少し寂しげな。
目の前には、手紙を握りしめた少女。
耳まで真っ赤で可愛らしい。
どうしたの?
そう聞こうとした時、少女が口を開く。
「ずっと前から、」
その瞬間に目を覚ました。
なんだ、夢か。
一人でいるのに、ドキドキしている心臓を隠したくて、布団から這い出る。
なんだかずっとそわそわして、無駄におしゃれをしてしまった。
キッチンの棚からコーヒーミルを取り出してきて、気取って豆を挽いてみる。
一杯飲み終えて、洗面所へ。
鏡に映った自分に驚いた。
今までと何も変わらないからだ。
変わったことといえば、少しシワが増えたことと、なぜかニヤついていることくらい。
何ニヤついてんだよ。
心の中で自分にツッコんで、歯を磨いた。
珍しく髪を整える。
ワックスなんて取り出して、束感を作って。
なかなかいい感じだ。かっこいい。
気分が良くなったので、どこかに出かけようかと思ったが、元旦にやっている店なんかほとんどない。
仕方なく、散歩ということにして外をぷらぷら歩くことにした。
1/1/2026, 10:26:30 AM