「やさしくしないで」
私はひとりぼっち。
家でも学校でも。
それでよかった。
だって1人なら誰も傷つけることがないし、傷つくこともないし。
ずっとこのままだって思ってたのに。
現実は違ったみたいだ。
学校からの帰り道、いつもは通らない道を通ってみた。
その時、花が咲いている公園があった。
思わずお花を見ていると後ろから
「綺麗だよね。この花の名前、私と一緒なんだ!花言葉は、約束なんだって。」
と話しかけられた。
突然話しかけられてびっくりして何も声が出なくて固まっていたら、思いっきり笑われた。
よく見ると、彼女は私と同じ制服を来ている。同じ学校の生徒なのに私は彼女のことを全く知らない。彼女は私のこと知ってるのかな?
そんなこと思っていると、彼女は
「じゃ!私時間だから帰るね!また学校であったら話そうね!あっ。私たち、今日から友達だよ!」
とだけ言い残して帰ってしまった。
それから何日もたったある日、学校に行くと、みんな落ち着かない様子でいた。中には泣いている子もいた。
ホームルームが始まり先生の口から彼女が病気によって亡くなってしまったことを聞いた。
その瞬間、私の中の何かが崩れたような気がした。
私の初めての友達。1度しか話したことがなかったけど、「友達だよ」って言ってくれてとても嬉しかったんだよ。
すぐにいなくなるなら、なんで私にやさしくしてくれたの?
別れるのが辛いから「やさしくしないで」。
そう思いながら、私は涙を流した。
周りを見渡すと、たくさんの子が泣いていた。
その時、あぁ、彼女は愛されてたんだなって感じた。
2/4/2025, 4:52:50 AM