『素足のままで』
今日も暑い。ただセミの声が聞こえなくなった分
静かな日中になったなと感じる。
部屋の温度計は変わらず30を超えている。
それでも網戸からは涼しい風は吹くし肌は汗ばむこともない。
ふと思い立って庭に出ることにした。
さすがに外は暑い。
靴もサンダルが肌に密着していると熱される。
風だけが味方してくれてる。
いっそ脱ごうか。
そう思いサンダルをポイと脱いで庭を踏みしめる。
小さな砂利は少し痛むし風で揺れる草はくすぐったい。
それでも少し心地いいと感じるのはなぜだろう。
残暑。そんな言葉がよぎった。
素足から伝わるこれらは残暑なんだろう。
少し寂しくなる。
もう素足から熱を伝わるあの感覚も
また来年になってしまったんだ。
残り火に縋るようにこのままの時間を噛み締めた。
語り部シルヴァ
8/26/2025, 10:33:21 AM