Sato

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互いに帰る場所がある。守るべきものがある。

何も無かった。指一本触れていないし、心の内に閉じ込めた2文字は、一生閉じ込めたままにするつもりだ。

それでも心は、想いは通じていると自惚れていたし、それだけで十分だった。

夕暮れ時の数十分、僕の隣で気怠げに煙を吐く貴方の姿を眺めながら、日々色々なことを話した。

この関係ももうすぐ終わる。貴方に会えない日々が始まる。

終わる前に、一度だけ。

君の一日をちょうだい、と貴方は言った。

たった一度の貴方との約束。

たとえ嵐が来ようとも、僕は必ず貴方に逢いに行く。

7/29/2024, 4:09:47 PM