幼い頃私は両親と祖父母の家で暮らしていた
とても田舎だったがご近所の人も優しくてとても幸せだった
小学二年生に上がる頃父親が転勤する都合で私と母も一緒に引っ越した
初めての都会は少し緊張したが、数ヶ月もたってしまえばもう慣れっ子になってしまった
高校生になり友達と夏休みの話題になった
みんなで夏祭り一緒に行こうと予定を立てていると1人だけ祖父母の家に行くらしく、その子は夏祭りは不参加となった
(おじいちゃんとおばあちゃん元気かなぁ)
長い休みの時に帰省する話が何度か出たが、父親の仕事が入ってしまい、私一人で行く訳にはいかず結局行けずじまいだった
その日の夜友達とLINEをしながら久々に空を見上げた
こっちで暮らすようになってから夜に空を見上げることが少なくなった
向こうは夜になると満点の星空が広がり
それを縁側でおばあちゃん手作りのおはぎを食べながらおじいちゃんと星座の当てっ子をするのが好きだった
思い出したらなんだかおばあちゃんのおはぎが恋しくなってきた
私ももう高校生だ、両親を説得して1人で行ってみようかな
「うん…きっと大丈夫だ!私なら行ける!!」
友達にLINEで夏祭りに行けなくなったことを伝え
両親を説得するためにリビングへ向かう
待ってろ!満点の星空とおはぎ!!!!
7/5/2023, 12:06:24 PM