やさしくしないで
やさしくしないで。君がいなきゃ生きていけなくなるから。もうこれ以上私をだめにしないでよ。
はらはらと涙を流しながら、君がたどたどしく紡ぐ言葉たちに身体中の血が沸騰するような気持ちだった。儚くって弱々しくって愛おしくって、このまま心臓が破裂して死んでしまえれば幸せだって、それくらいの幸福感だった。
やさしくしないなんて、そんなの無理だよ。君を見てたら俺はなんにも考えなくたってついやさしくしてしまうんだから。だきしめて、まんまるの頭を優しく撫でると腕の中の体がふるりと震えた。ごめんね。俺がいなきゃ生きていけないまんまでいてほしいよ。そう囁くとばか、とやっぱり舌っ足らずな声がした。
絶対にもうにどと、君の前からいなくなったりしないから。もう一人にはしないから。きっと君より長生きしてみせるから。だから、ねえ。やさしくさせてよずっとずっとずっと。
2/3/2025, 3:00:39 PM