冬至。

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              注意!びーえる風味。


すぅはぁ。すぅはぁ。
深く呼吸する。
「落ち着いた?」
頭の上から優しい声がする。
「もうちょっと…。もう少し強く抱きしめてくれる?」
返事する代わりにふふっと笑って俺の髪に頬を擦り寄せるようにして少し強く抱きしめられる。
肩に回された手が柔らかく同じ速度で子供をあやすように触れてくる。
大丈夫だよ。大丈夫だよ。そう語りかけられてるようだ。落ち着く。
しばらくそうしてもらって顔をあげると、すぐそこにある柔らかい笑顔が落ちてきた。
「久しぶり」
久しぶりに会えたね。
そうにっこりと笑った。
「もう大丈夫…」
身体を離そうとしたけどぐいっと引き寄せられた。
「もうちょっとくっ付いていよ」
俺にも充電させてよー。
笑った声が降ってきて。
それだけで心が満たされる。
「そっちから抱きついてくれるのうれしいなー離れたくないなーなんてね」
楽しそうな声。
いろんな事に疲れて歩いていた先に彼が居て、思わずかけ寄って抱きついてた。
一緒にいると心が落ち着いて、触れてると満たされる感じがする。
この人のそばに居ると呼吸が出来る。そんな感じ。
抱きしめられたまま左右にゆらゆら揺らされる。
「そろそろ俺に落ちてくれてもいいのになー」
ずるい俺は聞こえないふりをした。
まだこのぬるま湯に浸っていたいんだ。
ゆらゆらと揺れながらそっと息を吐いた。
すでに落ちてるんだけどね。



                 (心の深呼吸)

11/28/2025, 1:24:49 AM