好きじゃないのに…私も最初はそうだったのにな…
陸上部に入部して少し経った。私は私の種目に命をかける。ただそれだけ。先輩は尊敬している。特に長距離のs…いや、言わないでおこう。走る姿勢が綺麗でつい目で追ってしまう。やっぱり今日もカッコイイ。部活に対して真剣に向き合っている。私もいつか余裕が出来たらあんな風に…。
ある日の事。私はいつものように部活に行き、セクションにわかれた練習をしていた。その時、誰かの笑い声がした。先輩だった。汚れのないあの笑顔は今でも忘れられない。そう、その時。私の胸は高鳴っていた。それからというもの、四六時中先輩の事を考えては勝手に気分が舞い上がってしまう。
「あ、私…先輩の事、好きになっちゃった」
好きじゃないのに…はもう既に好きという感情に変わっていた。
好き・好きじゃない・好き・好きじゃない…みなさんも幼い頃、経験したのではないでしょうか。花びらを一枚一枚ちぎりながら占うんですよね。実は私も少し前にやったんです。
幼馴染くんは私を弄(もてあそ)んでいる。スキンシップは多いし、距離は近いし。私は幼馴染くんに対して決してそのような感情はございません。ですが、最近厄介なことに少し避けられると心配になるんです。というか寂しく思うんです。親しくしては距離をおく。また親しくしては距離をおく。この繰り返し。そばにいるのが当たり前になるといないことを不安に思うようになるんですよ、これがね。そうして、私自身の想いが狂わないためにもという予防策を考えた結果。あの遊びに辿り着いた訳です。今丁度、3回目が終わりました。偶然に偶然が重なり3回とも好きで終わってしまう。こんなことを聞いたことはありませんか?
ー1度目は偶然。2度目は必然。3度目は運命ー
と。つまり、私が偶然だと思っていたことは偶然ではなかった訳です。私は好きじゃないのに…幼馴染くんの発言や行動に期待してしまう。これはもはや運命なのでしょうか。
最初は初心。ただそれだけの話だったのに。
3/25/2023, 11:43:01 AM