眩しいほどの光を受けている青い葉っぱが擦れあい、丁度良い木陰が晴の周りを覆った。
「もしも過去に行けるとしたら、なにしたい?」
柔らかな笑顔で、晴はふと思いついた質問を親友の凪にしてみた。
凪は少し考える素振りを見せたものの、イマイチピンと来る答えが見つからないのか、終始首を傾げて唸っていた。
「僕だったら、凪に言ってスベったギャグ全部無かった事にするわ〜」
晴の答えが余程面白かったのか、凪は可笑しそうにいつまでも笑っている。
「それも俺が凍えなくて済むからいいけど、俺は晴にゲームでめちゃくちゃ勝った日に戻りたいな」
凪の予想外の答えに晴は驚き、次第に凪のように際限なく笑ってしまった。
別にゲームなんて今日でも出来るのにと、晴は欲の無い友人に伝えると、
「いや、あの日は俺が一番多く勝った日だからあの日に戻りたいわ」
またしても面白い答えにクスクスと微笑してしまう。
「たしかに、今戦ったら僕の方が勝てるかもしれないからいいな」
晴は、こうして二人で笑い合える今が一番幸せだった。
晴と凪は、日の傾きで木陰をつくらなくなった中庭から校舎へと移動した。
学校からは、いつまでもゲームの話をする声が響いていた。
#もしも過去へと行けるなら
7/24/2025, 1:52:28 PM