小絲さなこ

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「柵(しがらみ)」

運命なんて、自分ではわからない。
いつ命を落とすのかもわからない。
数分の差で、そのあとの人生が変わってしまうかもしれない。

それなのに、普段はそんなこと気にしないで生活してる。




「本当は、やりたいこといっぱいあって……たぶん、何年生きても足りない」

だけど、親に決められたレールの上を歩くことになりそう、と彼は言う。

人の寿命なんて誰にもわからない。親よりも長く生きられる保証なんてどこにもないのに、親のために生きるの?

しがらみも、立場も気にしないで、自分のためだけに生きてほしい。
そう、言えたら……

他人の私には、黙って見守ることしかできない。



────岐路

6/8/2024, 4:04:55 PM