案山子のあぶく

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◎やわらかな光
#34

傍らで眠る生き物の頬に木漏れ日が色を付け足す。

先程まで大きな体を丸めてうつらうつらとしていた頭は呼吸に合わせて規則正しく揺れている。
思わず撫でてしまいそうになるが、そんなことをすれば居なくなってしまうのだろう。
この不思議な生き物は、こちらが見えていると気付いてしまえば姿を見せなくなる。

ピクニックの為に用意したサンドイッチはバケットの中に残っていた。
けれど、それに群がる小さな生き物たちが蓋を開けて目を輝かせるものだから、そっと目を閉じて微睡みに身を任せることにした。

10/17/2024, 9:19:25 AM