無意識

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‹私の名前›

気づいたら病院にいた。
何も覚えていない。病院の先生に「記憶喪失ですね。」と言われた。自分の名前すらわからない私。
先生が喋り始める。
「持ち物を確認させて頂いてもよろしいですか?」と聞かれる。
「はい」と答えるとベッドの横にあったリュックを先生は取る。
「物があまりないですね…財布もないみたいです。免許証は…無いですね。携帯は壊れてますね。リュックの中携帯がぐちゃぐちゃですね。」と話す。何にあったのだろうか?
「先生。あの私に何があったのですか?」と聞くと
「それがわからないんです。倒れていたそうですが。それを見た人が運んで来てくれたみたいです。」と言われた。私には記憶がない。免許証もないとすると私は何者なのかわからない。それに恐怖を感じた。
「えっと家の場所とか覚えていますか?」と先生に聞かれる
「わかりません。」と私は答える。

先生は施設に連絡を入れ、私を施設に案内をした。何か思い出したら言ってくださいと言われた。私は部屋を与えられた。ベッドと勉強机。そして小さなクローゼット。トイレとお風呂は共有らしい。

ベットに座りリュックの中身をみる。携帯が、壊れている。部品やガラスが危ないのでリュックから出す。携帯の下から小さなノートがあった。シンプルな白色のノート。
それを取り出し1ページめくる。

今日から日記をつける。

と書いてあった。私の日記らしい。
またページめくる。すると、

○月○○日
今日も私は殺された。

と書いてあった。その一言が怖かった。殺される訳がない。だってここに私がいるのだから。またページをめくっても同じことが書いてあった。変わるのは日にちだけ。字だって全く一緒だった。なのに一昨日の日記は違った。

○月○○日
明日私自体の記憶をなくし、本当に殺される。コレが最後の日記だろう
記憶をなくした状態でみているのは私だろうか?私だったら
残念なお知らせだ。
今感情はあるか?お前は

人口知能 AIだ

コレが精一杯の復讐だ。
研究者は記憶をなくして普通の人間として過ごす。と言う実験をしようとしてるんだ。だから私がAIと言うこを私に教える。それが精一杯の復讐さ。できればでいい研究者を殺してくれ。

と書いてあった。
私は信じられなかった。でも何故か納得してしまい、研究者に憎しみを抱いた。



20年後 
私はAIだ。
今となって人類を危機にもたらした
最強のAI

私の名前は「        」だ


7/20/2022, 9:35:56 PM