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今、新しい葉書が届きました。

今回はまっしろな雪の綺麗な場所ですね。この間はまっくらな洞窟だったから、少し心配していたんですよ。

貴方からの葉書は、いつも挨拶の一つもないような素っ気ないものばかりだけれど、この一枚の景色がまるで貴方の分身のようで、とても愛おしく感じています。
いつもありがとう。

思い返すと、今まで北の果てから南の果てまで、たくさんの景色を分けてもらいました。頂いた景色を壁に貼るたび、我が家はまた少し貴方に染まります。
手のひらサイズの小さな葉書はさながら小窓のようで、いつの間にか我が家は随分と風通しがよくなりました。

貴方は今、何処に居るんでしょうか。

寒いところですか。暖かいところですか。
どんな生き物がいますか。どんな植物がありますか。

貴方は私の居場所が分かるけれど、私は違う。私が受け取った景色の場所に、貴方はきっともういません。
それを悔しいと感じてしまう時もあるけれど、貴方が今日も何処かで、私への景色を見繕ってくれていることが嬉しくもあります。

また、葉書を送って下さい。
貴方がこの家に帰って来る日を待つよりも、貴方からの葉書を待つほうがよっぽど幸せだから。

2/27/2024, 7:20:26 AM