火ってその時の心境や状況で印象変わる。
怒り狂ってる人をみたら禍々しい炎が背後で燃えさかっているように感じるし、今にも亡くなってしまいそうなほど弱っている人をみると溶けきった蝋の中で小さく揺れる火を思い浮かべてしまう。
本来なら明るく照らしてくれるはずのものが儚く感じたときのギャップこそ、なんだか魅力的にみえてしまってだめなんだ。どんなに小さく弱々しい火でも触れば焼かれてしまうのにね。
熱さも忘れて、痛みに臆することなく、その身を焦がし心まで火の中に投げ込んでしまった。
あなたの大切なものはなんですか?
塵一つ残さず焼けてしまったら意味がないのに本当に馬鹿だね。何か少しでもいいから残してくれたなら私だって燃え尽きることはなかったのに。
あんなに大切だなんだと説いておきながら結局は自分自身が一番なのでしょう。
そういうところこそ、もっと早くに焼き切れていたらよかったのに。そうしたら、もしかしたら、まだ一緒にいられたはずなのに。あなたは酷い人だ。
【題:心の灯火】
9/2/2023, 3:17:50 PM