お題 【秘密の箱】
年末も近づいてきたから、大掃除でもしようか
そう思って整理をしていたら、見覚えの無い箱を見つけた
花の彫刻が施されたシンプルな木箱
傾けてみると、硬い物がぶつかったようで
からからと音を発している
「……なにこれ」
考えても仕方がないし、お母さんなら知ってるかも
一旦机に置いておき、掃除を再開する事にした
掃除機をかけて、荷物を整理して、と
色々やっているうちにご飯の時間になったようで
呼びに来たお母さんが箱を見つけた
「あら、その箱どうしたの」
「掃除してたら出てきたんだけど、私のじゃないと思う」
お母さんも知らないようで、2人して首を傾げる
「お父さんのへそくりかしら」
「それなら私の部屋に置かないでしょ」
彫刻されている木箱といえば、昔っぽい
そんな偏見により、おじいちゃんのかも、と言葉を発すると
あ、とお母さんも思い出したように言葉を発した
「それ、私のお父さんの写真入れ」
「写真入れ?」
写真好きだったのよー、なんて懐かしそうに話すお母さん
傾けた時にからから鳴っていたので、私は半信半疑だ
本当にそうなのか確かめるべく、2人して木箱に向き合った
が、全くと言っていいほど開く気配がない
中に入ってる写真の種類くらいは聞くか、と思ったものの
お母さんもなんの写真かは知らないらしい
秘密の箱は、今もなお開けずに残っている
秘密の箱というより、開かずの箱でしょ
そう言った自分の娘に、私は少し笑いが漏れた
10/25/2025, 6:34:28 AM