《どこへ行こう》
※明里×蒼戒 大学生(?)if
「ねぇ蒼戒ー、今週末暇ー? 久々にどっか行こうよー」
とある日の夜8時過ぎ。私、熊山明里はふと思い立って今は離れたところに住んでいる彼氏の蒼戒にメールを打った。
『お前思い立ったが吉日主義にも程があるぞ。今週は無理だ』
そう返事が来たのは午後10時過ぎ。もともとスマホを持ってても使う文化がない人だしなんだかんだいつも忙しそうにしてるから今日も忙しかったんだろうなー、と思いながら私は返信を打つ。
「えー、じゃあ来週……は私無理だ。その次の週末は?」
『その次……は今のところは大丈夫だが大会が近いから須堂先輩に呼び出されて稽古になるかもしれないな』
「あー、その大会いつ? 私応援行っていい?」
『来月。来てもいいが俺は忙しいし2人で会う時間はないぞ』
「えー、5分くらい取れないわけ?」
『無理だな』
「そんなー。でも応援行くからね。負けたらぶちのめす」
『準決くらいはいけると思うがそれ以上はどうだろうか……』
「そこは頑張りなさいよ」
『はいはい。大会の次の週末なら確実に空けるがどこか行くか?』
「いいの?! 海! 海行きたい!」
『海、か……。沖縄ならともかくこの辺りはまだどこも海開きしてないと思うが?』
「いいわよ別に〜。ちょっと砂浜を歩いて美味しいお魚でも食べましょうよ」
『わかった。ちなみにどこの海がいい?』
「んー、あんたに任せるわ。決めたらまた連絡ちょうだい」
『わかった』
これで連絡が途切れる。まあ蒼戒がそっけないのはいつものことだし、「海だ海〜」と私は私で上機嫌にストレッチを始めた。
(終わり)
2025.4.23《どこへ行こう》
4/24/2025, 9:58:00 AM