『忘れられない、いつまでも』
綺麗に咲いている桜を眺める。
頭に浮かぶのはもう居ない君。
最後に会ったのも桜が綺麗な日だった。
桜が視界に入る度に思う。『自分が明るい人間ならこんな事にはならなかったはず』なんて。
君が最期に言った言葉は、
「忘れて幸せになってくださいね」
大好きな人の願いだから叶えようと思った。忘れようと頑張った。でも、出来なかった。
何をしても君の笑顔が浮かんできて、僕が幸せになる条件に君の存在が必要で。
一筋の雫が頬を伝った。
来年もまたここに来よう。
君に貰った指輪を撫でながら君と同じ桜の匂いに包まれる。
僕はきっと君を忘れられない、いつまでも。
5/10/2022, 12:43:24 AM