枝守

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旅路の果てに


手を伸ばせば届きそうな雲。アスファルトを焦がす太陽。
少しほこりを被った街。錆びたやかん。手付かずのカップラーメン。

静まり返ったここに来たのは1ヶ月前のことだ。大きなリュックに未来と過去を背負って、この街までやってきた。
初めこそ1人であることが怖かったが、今ではそれが心地いい。


久しぶりに友人に連絡を取ろうとハガキを出す。彼女がくれた万年筆で文字を綴る。書き進めるうちにまとわりつく暑さに嫌気がさしたので、窓を思いっきり開ける。

すると普段聞こえないはずの、歌が聞こえた。
それは私を動かすのに十分だった。音を辿るうちに見つけたあなたの姿は、



私に旅をして良かったと思わせる力があった。

1/31/2024, 2:15:46 PM