買い物の帰り道で、入道雲を見た。夏だなぁ、と思うと同時に夕立が来そうだから早く帰らなきゃと急いだ。そして、家に着いてから数分後、雷が鳴り響いた。
「ひっ…!?」
「あっ、大丈夫ですか?」
大人になった今でも、私は雷が苦手だ。目の前に雷が落ちてきたことがあり、あの時の光、音、振動を思い出してしまうくらいトラウマになっている。震えて硬直してしまった私を彼は抱きしめてくれた。
「よしよし、俺が傍で守ってあげますから」
そう言って私の背中をぽんぽんとしてくれた。私も彼をぎゅっと抱きしめながら、彼に意識を集中させた。胸に耳を当てると、彼の心音が小さく聞こえる。その間も、彼は私の頭や背中を撫でてくれた。
夕立は数時間で止み、外を見ると運良く大きな虹がかかっていた。
テーマ「入道雲」
6/29/2024, 11:15:00 AM