やっぱりボクは、演奏者くんのことが好きだ。
何度も何度も押し殺そうとしたけれど、それでもやっぱり彼のことが好きだった。
そもそも好きな人とわりと結構な時間一緒にいて、恋心という気持ちを押し殺すなんて無理な話だろう。
彼のことを少しづつ知って、彼のことをもっと好きになって、それではいけないと思う日々。
ここではないどこかなら、ボクと彼は対等だったのかもしれない。そうしたら、恋心だって押し殺さなくて済んだかもしれない。
でも、ここではないどこかなら、ボクと彼は知り合わなかったかもしれない。
………どっちがいいのだろうなんてしょうもないことを考えながらボクはため息をついた。
6/27/2024, 3:50:52 PM