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"明日への光"

ある日の夜明け前、私は歩いていた。崩壊したビルに蔦が伸び、自然が人工に打ち勝って見晴らしの良くなった東京を。

道路もひび割れていて、今にも崩れ落ちそうだった。
けれど、そんな見た目からは感じられないほど頑丈で、飛んで体重をかけてみてもびくともしない。

なぜこんな姿になったのか、どんな衝撃でこんなことになったのか、とんと検討がつかない。

ふと私の足元から陽の光が差し始める。

こんな荒んだ街になっても日は昇るもので、眩いほどの光が先程まで暗く澱んでいた空気を白く輝かせる。

周りにある植物たちはありがたくその光を享受して、風に吹かれてそよいでいる。

その光のおかげか、少し先に紫色の小さなものが道路の間から顔を出しているのが見えた。

アイリス____強かに咲いてそこにある姿はまさに勇敢だった。

私はそれを捻り切って手に収める。

変わらず風にたなびく姿は私のことなど、どうでもいいとでも言いたげだ。

私だって、

私はアイリスを元の場所に突き刺した。

12/15/2025, 2:03:34 PM