子どもの頃から、明日になるのが怖かった。
だって、明日になるってことは、時間が進むってことだから。
時間が進むと、大人になる。
大人になったら、いまこうやって、お父さんとお母さんと並んで寝て、この天井を、この電球を見上げることができなくなる。
それが怖かった。
変わらないものはないから、いまこの瞬間、時間が止まって欲しかった。
大人になった今。やっぱり明日になるのが怖い。
ベビーベッドにすっぽり収まる息子は、いずれ一人で寝起きするようになる。そしていずれ家を出る。
ニコニコと、喃語でなにやら一生懸命話しかけてくる、膝の上で大人しく抱かれる息子の時間が進むのが、嬉しくて怖い。
いつか来る別れ。それが怖い。
変わらないものはないから、だから今が尊い。大事に過ごそうと思う。
けれど、今この瞬間、時間が止まって欲しいと、願ってしまう。
12/26/2023, 11:13:27 PM