言葉にならないもの
あっと驚いて衝撃すぎて…いつの間にか感動で泣いていた
そんな風景
言葉にならないもの
友達と遊んでいたある日…
「沙耶!今日はね…特別な場所に行こう」
「え?!急になんで?」
「とにかく…ついてきて!車で送るから!」
「え?!今?」
「うん!早く早く!」
私の腕を無理やり引っ張って、外に連れ出す。
外に出た瞬間真夏の暑い紫外線が私の肌を攻撃する。
友達の奈々が車に私を突っ込むように乗せる。
「ちょっと…痛いよ…」
奈々は私がそういうと苦笑いをして運転席に向かった。
謝らないんかい…
そして運転席の扉が開いて奈々が乗ってくる。
「飛ばすよ!」
「え?!危ないよ…」
「大丈夫大丈夫!ここはド田舎だから」
そういう問題じゃないよ…
そしていつもよりもスピードを出して、車が走り出す。
走っている途中、スピードが段々落ちて遂に止まってしまう。
「あ〜、ガソリン切れちゃったか…仕方ない、今から歩こう!」
「え〜そんな無茶な事言わないでよ」
「大丈夫ここから後、40分で着く!」
「40分…結構あるじゃん」
私は無理やり足を上げて歩き出す。
まさか歩かされるなんて思っても無かった…水筒持ってきてないから暑いし喉がカラカラ…
奈々に支えてもらいながら、ようやく目的地らしき場所に着く。
「ねぇ…ど…」
私は何処に用があるの?と聞く前に声が出なくなる。
息をするのも忘れるくらいに綺麗な景色。
草原が太陽の光を反射させて、まるで雨上がりの様に緑が輝いている。
風が私に向かってくる。
その瞬間、草と土の自然豊かな匂いがふわりと香る。
静かな風が草原をサラサラと音を立てている。
蝉の鳴き声がいつもうるさくてたまらないのに、この景色に音楽を流してくれているかの様な綺麗な蝉の鳴き声。
凄い…綺麗…ヒンヤリとした風が私の汗を流してくれる。
「凄いでしょ?これを見せたかったの。昨日ドライブに行ってたら突然この景色が見えて…衝撃で言葉も出なかった」
奈々が笑顔で私にそう言う。
奈々の存在さえも、この眩しい太陽と草原にマッチして眩しい美少女そのものだ。
私はいつの間にか感動で涙が溢れていた。
8/13/2025, 10:35:10 AM