桜川 猫未

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麦わら帽子。
私の母が最初で最後に贈ってくれたもの、
デザイナーベイビーの私は母や父、私に手を加えた人の存在を知るすべはない。
ある日、私の家に一通の手紙と麦わら帽子が届けられた
手紙には、
『これを貴方に』
と、書かれていて差し出し人は誰かわからなかった。
でも、私は母だなと確信していた。
手紙はもう来ないだろう。
私と関わると碌な事がない。
と、当時は思っていた。
もうかぶれないくらい小さくなった麦わら帽子は今でも私の宝物だ。
                       ❦❧

8/11/2024, 10:03:42 PM