春ノ花/Nobana

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大切なもの

喧騒を歩く。
様々なチェーン店が立ち並ぶ商店街。
過ぎ去ったばかりの冬を恋しく想いながら2階にイートインスペースのあるドーナツ屋へと入店する。
窓越しの席に着く。

僕は自他境界が曖昧になっている。
人生を旅と例える癖は、とある本の模倣。
コーヒーを飲むようになったのは、尊敬する先輩の模倣。
僕はいろんな人の好きだと思った部分を模倣している。
本当の自分を知らない。

僕は窓の外に異質な想像を膨らませる。
まるで海外の雪国のような景色。
これは誰の模倣だろう。

いや、『自分』が好きで選んだものを『自分』で編集しているのだ。

僕は窓の外に夢を見る。
そこには赤や黄、緑の家々がまばらに、霧のかかる青の湖、そして白の地や山々が広がっている。

4/3/2026, 5:16:51 AM