〈明日世界が終わるなら〉
ぼうっと朧気な将来について考えて、尊大な夢の種を撒くのを躊躇っています。
心の奥底で、自分を諦めているのです。
どうせ、と、私の生まれは、と、金銭が、と……
なにかに毒されているのでしょうか。それすらも他責です。
しかし…………しかし、ね、終わりが分かるのなら、それを決められてしまえば、まあ、どうしたことでしょう、先のことの心配が、雲に絡め取られ、東へ去ってゆきます。
明日のことがどうでもよいのではありません。
今日がどうしようもなく惜しくなるのです。
私は、どうやらリアリストだそうで、例えばこのような状況を思い浮かべました。
学生諸君、あなたの学生という身分は、大概は期限がはっきりしているものです。積極的な意味で、その期限を延ばす方法は幾らでもあるのでしょうが、その未来を描き得ないと判断した場合、君、今の身分と時間を存分に有効活用し給え。学生の身分というのは、特別なものなのです。それを大事にしようと思う次第です。
5/6/2024, 1:44:08 PM