村人ABCが世界を救うまで

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すぐに薬は効いて、ナナは子猫のように丸くなってソファで寝てしまった。
「ナナ」
呼びかけても動かない。本当によく効くんだ…。

食器類を片付けていた、ほんの少しの間にだ。揺り動かしても、すうすうと健やかな寝息が聞こえる。

仕方ないかと、和樹は彼女の身体に手を差し込んで抱き上げる。
彼女も成人女性のはずだが…小さな頃から身体の時間が止まっているかのように柔らかくかるい。そのまま抱き直すとドレスの裾や髪がゆらりと沿う。
本来眠って脱力した人間を運ぼうとすると重いはずなのだが…。

「ちゃんとした所で寝ないとまた襲われますよ…悪い狼に」

窓際は寒いだろうと暖炉寄りのベッドに寝かす。羽織っていた男物のジャケットを取り去り、華美で苦しそうなドレスの胸元のボタンを外していく。
パチン。パチン。

大きく軽いパニエを、そっとはがす。
細い足が出てきた。

怪我が残る肌は暖炉の赤い光でなおさら目立って見えた。髪のカチューシャを取り去ると「うぅん」と何かを答えているような声。

「この和樹が何もしないとでも?それは幻想ですね。これでも雄の一員なので」

普段は彼女も、他人のいるところでここまで深く寝入ったりしない。
脱がせる最中に、絹のような髪をすいて、首元の香りを嗅ぐ。
いつもの太陽に愛でられた草原のような香りの中に、シトラスとミントが混ざったかのような…男性物のシャンプーの香りがした。
脱がせた彼女を、ぎしっとベッドに閉じ込めるように下ろしたら、彼女は本当に小さな女の子だった。
普段は高いブーツや目が隠れる帽子、かっちりとした服を身につけて肩を張っていたが…

「これは…欲情するなんてとんでもないな。…女なら…そういうことか…」
少し前に自分で言ったことに、ゾッとする。

銃もナイフも爆薬もいらない。男女間や家族を不仲にさせたり分離させる方法。

柔らかい素肌の中でリズムよく呼吸が繰り返されていた。生きている。貴方は、自分の身体を大切にしてほしいんです。
溶けそうな肌にキスをする。
「んん…かず…」
小さな手がひらひらと探しておちた。
「和樹はここですよ。おやすみなさい」
布団を持ってきて肩まで掛けてやる。大人しい彼女は珍しい。イタズラがしたくなって、もう一度勝手にキスをして、その隣で自身も床についた。


生きる意味

彼女のためなら生きられる。

そして迎える朝チュン。
「私が寝てる時になんかした!?」
「はい?」
「な、なにかを…その…」
「ナニかって例えば?(^^)」
「……え、いや…まさかね…うん…(汗」
自己肯定感激低ご主人様は今日も妄想が激しい。


4/27/2026, 8:14:37 PM